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ECアパレル物流の在庫管理事例

BLOG 2024/11/28

日本通運では、アパレル商品に関するECの物流業務を、数多くの倉庫で取り扱っています。

ただ一般的に、物流センターの内部を目にする機会は少なく、EC物流の外部委託を検討されている場合に、具体的な業務内容を把握しにくいのではないでしょうか?

そのためこの記事では、倉庫の中ではどのような業務を行い、どういった在庫管理を実施しているのか、実際の物流センターを訪問することで詳細に見ていきたいと思います。

ECアパレル物流センターの特徴と在庫管理のポイント

ECサイトでアパレル商品を取り扱う場合、他の商材とは異なる視点の管理が必要になります。

というのも、アパレルはサイズやカラーなど取り扱う種類が多岐に渡り、季節によって商品のカテゴリも変化し、さらにトレンドによって売れ筋に増減が出てくるからです。

加えてECではキャンセル率や返品率が比較的高いため、発送前に注文がキャンセルされた場合の在庫補充や、返品された商品の確認対応についても考慮もしなくてはなりません。

そのため物流業務においても、WMS(倉庫管理システム)などを導入することで、数千種類のアイテムを正しく管理し、また出荷が滞ることのないようアイテムを効率的に保管することが求められるのです。

ECアパレル物流倉庫での在庫管理とフルフィルメントサービスの事例

訪問したECアパレル物流センターの概要

今回訪問したのは、敷地面積が約1万6千㎡の関東エリアにあるアパレル用の物流センターです。
こちらでは、ECにおける月間注文数が12万件を超え、取り扱っているアイテム数も27,000件という比較的大きなアパレル倉庫になります。

当日訪れると、機械化された仕組みを活用しながら、多くのスタッフが慣れた手順でスムーズに作業を実施していました。
全体を管理している物流センターの担当者に、業務の流れやアパレル商品ならではの留意点、課題や解決策について伺いました。

ECアパレル物流倉庫の外観

在庫管理と物流フルフィルメントの流れ


- こちらのアパレル物流センターで実施している物流フルフィルメントの、具体的な流れについて教えてください。

物流センター担当者 :
全体の流れとしては、商品を倉庫に搬入する入庫作業、保管している在庫の管理作業、そして注文に応じて発送するまでの出荷作業、の大きく3つに分かれます。

1. 入庫業務

まずは入庫作業についてです。

こちらの物流センターを利用されているお客様の場合、アイテムの多くは海外で製造されています。そのため、海外から輸入された商品が、どのような方法でいつ倉庫に到着するのか、明細も含めて事前に確認しなければなりません。

日本通運以外の物流会社に輸入業務を委託されている場合、お客様自身が物流業者に状況を確認の上、当社に連絡をしてもらう必要があるのですが、こちらのお客様は海上コンテナの輸入業務も当社に委託いただいているので、輸入から倉庫到着までの流れが日本通運内部でのやり取りで完結します。

そのためお客様と細かい調整を行うことなく、スムーズに処理を進めることができています。

倉庫に到着したアイテムは、事前にいただいている明細データとチェックを行い、予定されたアイテム内容が正しく届いているか、外装のダメージ品がないかとどうか等の確認を行います。

その上で数量が正しい場合には、商品の在庫数をWMS上に登録します。

この時点でお客様のECサイトとも在庫数量が連携されるため、オンラインでの販売が可能になります。

ECアパレル物流倉庫の入庫作業


2. 在庫管理業務
次に保管した在庫管理の作業になります。
こちらのお客様は、注文のオーダー数が1日に5,000件を超えることも多いため、すぐに取り出せることができるよう商品1点1点を個別に保管するようにしています。

また、出荷頻度が高い商品とそうでない商品をWMSで分析し、なるべく出荷される確率の高いアイテムを集中的に配置することで全体の効率を高めるようにしています。

ECアパレル物流倉庫の在庫管理

3. 出荷業務

最後に、出荷作業です。
オンラインストアで購入された商品は、注文オーダーとして当社のWMSに連携されてきます。

注文については、「当日10:00まで」の締め切り時間を設けさせていただき、その時間までの注文オーダーをすべて当日夕方までに完了していきます。

出荷作業は、棚から商品を取り出す「ピッキング」、取り出した商品を1つずつ確認する「出荷検品」、そしてカートンを組み立てて梱包し、送り状の貼り付けを行う「発送作業」に分かれていますが、より効率的に作業を実施するため一部には機械を入れてオートメーション化させています。

ECアパレル物流倉庫の出荷と発送代行



- 取り扱うアイテム数も多く、その上ECと店舗の販売在庫を管理するとなると、数量の差異はどのようにして防いでいるのでしょうか?

物流センター担当者 :

在庫数量を正しく管理するため、日々、エリアごとに「循環棚卸」という数量チェックを実施しています。そのため万が一数量差異が発生しても、早めにその原因を特定するとともに、即時にECサイトへ正しい在庫数量を連携するようにしています。

また、アイテム数が27,000件を超えるため、広い倉庫内で入荷や出荷が多い商品とそうではない商品とに分散されてきます。そのため、回転の速い商品はなるべく集中的に集めて保管し、効率を高めることで即時出荷のスピードを速めるようにしています。

もちろんWMSを利用することで、入荷や出荷の際には1点1点検品して作業ミスを抑えるようにもしています。

ECアパレル物流倉庫の在庫管理システムで在庫差異抑制

ECアパレル物流における留意点と課題


- アパレル商品ならではの物流面での留意点は、どのような部分にありますか?

物流センター担当者 :
アパレルは繁閑の差が大きく、トレンドに左右されることが多い業界です。
そのため、商品の出荷量が季節やイベントごとに大きく変わり、スタッフを確実に確保しておかないと即日入荷や即日出荷に繋げることができません。

今の時代、どの業界も人手不足が慢性化していますので、どうやって安定した作業体制を維持するのかということが大事なポイントになっています。

日ごろからのお客様とコミュニケーションを取ることで、セールやキャンペーンのタイミング、新商品の取り扱いなどの情報を事前に共有いただき、前もって体制を整えることによって、余裕をもって対応するようにしています。

お客様の課題と解決策


- 過去にあったお客様の課題やその際の解決策があれば教えて下さい。


物流センター担当者 :

アパレル業界では、ECサイトと店舗の販売を組み合わせたオムニチャネルを導入される企業が多く、こちらの物流センターで扱っているお客様も、ECサイトと店舗の両方で販売をされています。

以前は、限定品を販売する場合やセールの時期には、一方のチャネルに在庫があったとしても、もう片方のチャネルでは欠品が生じてしまうことが何度かありました。
そのため、ECと店舗向けの在庫を個別に管理し、いずれかが欠品した際にはもう片方から在庫を補充する仕組みを整えています。
ECは1個単位、店舗はケース単位、といった形で在庫保管の形態も異なるのですが、今までの当社のノウハウも取り入れながら上手く連携させることができています。

また、アパレル商品は一般的に返品率が高めです。

そのため、返品された商品の確認やその結果のお客様との共有が必要になります。
当社では判断できないものもあるため、あらかじめルール決めを行うとともに、返品時には担当者様とのコミュニケーションを密することで再販の可否をスピーディーに判断していただき、早めにECサイトで販売できるような取り組みも進めています。

ECアパレル業界の店舗向け物流在庫

ECアパレル業界の在庫管理の返品確認作業



以上、アパレル商品を取り扱う物流センターの様子について、記載させていただきました。

日本通運では、インターネット型の物流Webアプリ「DCX」を活用することで、お客様自身が在庫数量や作業進捗の確認をすることができます。

また、長年のノウハウや経験を基に、即日入荷や即日出荷の物流業務も多数取り扱いをさせていただいています。

実際の物流センターについては、見学が可能な施設もありますので、アパレル物流において課題を抱えられているお客様は、ぜひ、当社にお問い合わせください。

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