BLOG 2024/09/11
ECサイトの物流は、何百種類ものアイテムを1つずつ管理し、注文ごとに最適な大きさのカートンに梱包し、送り状を行き先ごとに出力してから発送する、という煩雑な処理が必要になるため、一般的な物流業務にはない様々な課題が発生します。
アイテムが倉庫に入庫されてから発送し、そして購入者の手元に届くまで、EC事業者が抱える代表的な物流課題とその解決策を5つ紹介します。
アイテムが倉庫に入庫されてから、在庫計上まで数日の期間を要してしまっては、サイト販売における機会損失が発生してしまいます。ただ、ECのアイテムは形も種類も多種多様であり、その上、仕入先が国内と海外では搬入のやり方も異なることがあります。
そのため、入庫したアイテムをいかに素早く確認して倉庫内に配置するのかという点が重要になりますが、到着して初めて数量が分かり、慌てて作業を始めたのでは間に合いません。
あらかじめ数日前から入庫の到着情報を把握し、そのためのオペレーション人員を揃えるなどして事前に対策を打っておくと、よりスムーズに入庫処理を実施することができます。
商品の種類や数が増えてくると、どこに何があるのか分からなくなってしまいます。
また、アイテムによってはロットNoや消費期限の管理が必要なものもあるため、必要に応じて特定の場所にまとめて管理することもあり得ます。
さらに、最初に入ってきたものから出していく「先入れ先出し」や、後から入ってきたものから順番に出していく「先入れ後出し」など、在庫の管理は出荷の精度にも関わってきます。
そのため、継続的に整理をしておかないと、在庫がないものに対して注文が発生したり、在庫が存在するにも関わらずECサイト上では「売り切れ」になってしまうなど、信頼度合いを左右することにもなりかねません。
アイテムの種類や数量が少ないうちは紙や表計算ソフトで管理することができますが、一定数量を超えるならば専用のWMS(倉庫管理システム)を導入し、在庫管理をシステム化したほうがいいでしょう。
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ECサイトで注文が発生した後、何日も経過して発送してしまったのでは、"決済をした時"に感じていた顧客のワクワク感は低下してしまいます。
また、発送までの日数が長ければ長いほどキャンセルになる確率も高くなり、サイト売上にも影響を及ぼしてしまいます。
そのため、注文を受けてから翌日か遅くても翌々日には発送作業を完了したほうが、ECサイトそのものに対する購入者の満足度も高くなります。
ただ、大量の注文があった場合や商戦期などは、出荷の遅れが継続するとそのボリュームが雪だるま式に膨れ上がって、何日も経過してやっと出荷作業に着手できる。。という状況になってしまいます。
また、やみくもにオペレーション人員を増員させても、倉庫内が混雑するだけで根本的な解決にはつながりません。
スピーディーな出荷においては、どこに何があるのかという正確な在庫管理を徹底するとともに、注文の多いアイテムを固めて配置したり、1人で複数の注文を一気に出荷するなど、工程そのものの見直しが必要になります。
専門性の高い業務になるため、自社のみの対応では難しい場合は、在庫管理も含めた業務を発送代行の物流企業に委託することも1つの解決策になります。
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ECでは、目で見て触れてアイテムを購入するわけではないため、配達後の返品や交換が一定の確率で発生します。
業界によって差はありますが、多い場合だと注文の3~5%程度が返品として倉庫に戻ってくることもあります。
そのため、返品されたアイテムの内容を明細と照らし合わせ、再販売が可能であるのかそれとも難しい状態であるのかを判断する必要があります。
また再販売の場合、再度売れる状態に戻す処理が必要になるため、そのための時間や手間も発生します。
逐次実施したのではいくら時間があっても足りないため、返品ボリュームが多い場合には、専用のスタッフを配置して集中的にアイテムのチェックをしたり、返品数量を確認するため倉庫内に専用のエリアを用意したりすると、よりスムーズに処理を進めることができます。
ECサイトの売り上げが伸びてくると、新たなチャネルとして店舗販売を展開することがあります。
またその逆に、店舗販売からECサイトへとビジネスを拡大していくこともあるでしょう。
このようなオムニチャネルの形態でアイテムを販売する場合、ECと店舗の物流は非常に困難な状況になります。
というのも、ECの物流管理が個数単位であるのに対し、店舗販売はケース単位であることがほとんどです。また出荷手段も個人宅へ宅配するECと、大型トラックなどで一括搬入する店舗輸送とでは、発送方法に大きな違いがあるからです。
そのため、ECと店舗の在庫を切り分けて別々に管理することになりますが、そうなると互いの欠品や過剰在庫を上手く補完することができず、在庫の最適化ができなくなってしまいます。
このような場合にはかなり高度な物流の設計が要求されるため、倉庫規模の大きな専門の物流企業に委託し、できれば1ヵ所でEC販売と店舗販売の在庫を集約の上、数量の相互補完ができるような仕組みを整えたほうがいいでしょう。
以上、ECサイトの運営者が抱えてる様々な課題を、5つの切り口で説明させていただきました。
どの課題も、自社で解決できるものもあれば、物流会社への委託でコストや手間が削減できるものもあります。
日本通運では、ECビジネスが始まった20年以上も前から、数多くのお客様に対して物流サービスを提供してきました。
また現在も、大手企業からベンチャー企業まで、様々な業界の多くのECサイトの物流業務を取り扱っています。
上記のような課題に対しても、長年のノウハウや経験に基づいた多様な解決案を提示させていただきますので、現行のECサイトの物流にお困りの方は、是非、お問い合わせください。