BLOG 2024/04/02
Shopifyと在庫連携した倉庫管理システム(WMS : Warehouse Management System)は、Shopifyストアのアプリをはじめ数多く存在しています。
そのためストア運営者は、自社にどのWMSを導入すべきか悩むことも多いかと思います。
ECビジネスでは、出荷のスピードを速くしたり誤出荷を少なくしたりすことが購入者の満足度や信頼度を左右するため、フルフィルメントの精度に関わるWMSの選択は慎重に考える必要があります。
以下では、自社のShopifyストアの状況を確認しながら、どのような点に着目してWMSの導入を判断したらよいか、いくつかの視点でお伝えします。
最初に考えないといけないのが、自社の商品カテゴリはWMSでどのような機能を必要としているのかという点です。
なぜなら、在庫管理や入荷出荷処理といった基本的な機能はどのWMSも備えているものの、細かい機能には少しずつ違いがあるからです。
消費期限管理機能は必要か
食品、飲料、化粧品といったカテゴリの商品は、多くの場合、消費期限を管理しなければなりません。
また、先に入荷された商品から出荷を行う「先入れ先出し」や、後に入荷された商品から出荷していく「後入れ先出し」など、在庫管理のルールが決まっていることもあります。
そのため、選択するWMSに消費期限の管理機能や、先れ先出しの機能があるかどうかは重要なポイントになります。
帳票のレイアウト変更は可能か
自社のブランドイメージに合わせて帳票のデザインを変更したり、SNSのフォローQRコードなどを追加したい場合は、帳票レイアウトのデザイン変更機能も1つの大切な要素になります。
帳票のロゴやフォント、表示内容の編集が簡単に可能なWMSであれば、カスタマイズされた納品書やレターなどで、ブランドの世界観をより浸透させることに繋げられます。
予約販売の仕組みを持っているか
在庫を持たず、先に注文を受けて後日に発送する「予約販売」は、希少価値の高い商品やカスタマイズ商品などを販売する際に有効な1つの方法です。
この場合、入庫作業を実施してすぐに発送処理に繋げる必要があるため、注文オーダーを一定期間保持しつつ、入庫するとスムーズに出荷に繋げられるような機能を備えたWMSが必要になります。
サンプル品同梱やギフト発送などは分かりやすく表示されるか
リピーターを増やしたり既存ユーザーの満足度を高めるためには、サンプル品の同梱やチラシの同封、ギフト対応や熨斗(のし)の貼付など、様々な特殊対応が必要になります。
これらの作業は、対象となるオーダーを明確に示す機能がないと、漏れやミスが発生してしまうことになりかねません。そのため、出荷の段階で分かりやすい表示ができる機能が必要になります。
Shopifyサイトの場合、フルフィルメントの効率化やスピード化を図るため、WMSとデータを自動連携させることが必須になります。
また在庫についても、欠品リスクに対応するためリアルタイムに同期させなければなりません。
Shopifyの公式アプリか
Shopifyのアプリストアでは、 Shopify社の審査を経たアプリが掲載されているため、データの精度やセキュリティについて比較的信頼性が高く、安心して使用することができます。
このような公式アプリでは、Shopifyとの互換性が担保されていて、自動で在庫連動ができるWMSがほとんどです。
注文オーダーは自動連携できるか
データ連携の中でも特に注意したいのが、注文オーダーの連携です。
というのも、Shopifyストア上では、当日発送の注文締切時間を案内することがあります。そのため、なるべくリアルタイムに注文オーダーをWMSで受信できないと、発送漏れが生じるリスクが出てきましまいます。
また在庫差異が発生しないようにするため、注文オーダーと同時に在庫の引当も実施され、ShopifyとWMSの在庫数を常に同一にしておくことも必要になります。
オーダーキャンセルも即時連携されているか
一定数のキャンセルが発生するShopifyサイトの場合、出荷が停止できるよう、注文オーダーのキャンセルがWMSにリアルタイム連携されるかどうかも重要です。
加えて、在庫欠品時にキャンセルが発生した場合には、次のユーザーがすぐに購入できるようWMSからShopifyに在庫データが更新されるような機能があれば、購入者にとってより満足度の高い仕組みを提供することができます。
WMSを選ぶ際には、費用に関する以下のポイントを考慮することが重要です。
初期コストは必要か
WMSの導入には、初期コストが必要になる場合があります。
近年のSaaS型のWMSは初期コストが無料のものがほとんどですが、カスタマイズが必要なWMSの場合は内容に応じて導入時のコストが必要になります。
機能とコストとを見極めてカスタマイズが必要かどうか、また必要な場合はどのくらいのコストならば許容できるのかという点は、あらかじめ検討したほうがいいでしょう。
ランニングコストは妥当か
WMSの利用には、たいてい月額の利用料もしくは従量課金などのランニングコストが発生します。
月額の利用料が安価でも従量課金が多いパターンもあれば、その逆もあり得ます。自社のShopifyサイトの規模や商品1つあたりの物流コストを考慮しながら、妥当な金額で利用できるWMSを選ぶことが重要です。
追加コストは妥当か
WMSの機能をより多く使いたい場合、追加コストを支払うことで可能になることがあります。
追加コストがそれなりの金額になる場合や毎月の費用が発生する場合は、ビジネスの状況をみながら継続的に検討する必要があります。
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WMSを一度導入すると、他のものに切り替えるには移行の手間やリスクが発生してしまいます。
そのため、ビジネスの拡大段階においても利用が可能なWMSであるかどうか、中長期的な視点で検討する必要があります。
月間数万件の注文オーダーにも耐えられるか
将来的に事業が拡大し、数千件の商品を取り扱ったり、月に数万件の注文オーダーが発生したりすると、WMSの中にはレスポンスやデータ保管に支障をきたしてしまうものがあります。
そのため、WMSの処理能力やストレージボリュームが、大量のデータ処理に対応できるかどうかはあらかじめ確認しましょう。
複数ロケーションの管理が可能か
ビジネスが拡大すると、複数の倉庫で在庫を管理する可能性も発生します。
そのような場合、Shopify側でロケーションを追加するだけではなく、WMS側でも複数ロケーションで、在庫管理や注文オーダーの処理を平行して実行できることが必要になります。
場合によってはロケーション1つのみにしか対応できないWMSもあるため、将来的な拡張が見込まれる場合にはロケーション対応についても考慮したほうが無難です。
グローバルに対応できるか
日本国内だけではなく、海外向けに販路を広げる場合、越境ECの機能や海外のShopifyサイトでも利用できる機能があるかという点も重要になります。
特に海外でShopifyサイトを開設した場合、海外製よりも国内製のWMSのほうが言語やサポートなどの場面でより安心感を得られることが多いと言えます。国内製のWMSでグローバル対応可能なものがあるかどうかも確認したほうがいいでしょう。
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