Shopifyと物流システムを連携する理由
Shopifyは、ECサイトの構築はもちろん、注文データの分析や販売チャネルとの連携など様々な機能を有していますが、物流システムと連携させることで、在庫管理や物流フルフィルメントの仕組みをより強化することができます。
Shopifyと物流システムとを連携する場合は、以下のようなケースが考えられます。
- 物流フルフィルメントを外注したい場合
物流業務を自社で行うと管理の手間や作業コストが発生します。
そのためフルフィルメント業務を外部業者に委託し、その業者の物流システムと連携することで、物流業務をより簡易にすることができます。
- 顧客満足度の向上を図りたい場合
注文商品のピッキングや送り状の出力などの作業は、想像以上に時間を要する業務です。
この業務を物流システムと連携し、配送までのリードタイムを短縮することで、迅速な配送サービスに繋げて顧客満足度を向上させることができます。
- 事業をさらに拡大したい場合
Shopifyでは注文に関するデータを様々な角度で分析することができますが、出荷や在庫などに関する細かいデータまでは取得できません。
そのため物流システムから得られるこれらの情報を分析することで、新たな事業展開の可能性へ広げることができます。
連携できる物流関連データの種類
では、Shopifyと物流システムとを連携する際、具体的にどのような種類のデータを考慮すればいいのでしょうか?
項目ごとに細かく挙げると目的や要件によって異なってきますが、大きく分けると一般的には以下の5つに分類できます。
- 商品情報
すべての連携データの基礎になる、商品名やSKUなどの商品情報になります。
SKUは物流システムで管理するためのキーとなるため、重複したり使いまわしたりすることがないよう注意しなければなりません。
- 在庫情報
在庫データは物流業務において基本となる情報です。
物流システムでは消費期限やロットNo、倉庫内の配置場所といった細かい情報を独自に持ちつつ、Shopifyで管理が可能な、在庫数量や入出荷履歴などを連携することになります。
- 入庫情報
取引先から仕入れた商品が到着し、ダメージや数量チェックなどの検品を経た後、販売が可能になった商品数の情報になります。
- 注文情報
注文のあったオーダーの詳細情報になります。
購入者や配送先の住所、注文商品や数量といったデータはもちろん、配送指定日や冷蔵、コレクトなどの配送タイプ、さらに発送作業における熨斗やサンプル品同梱といった情報が付加されることもあります。
- 配送情報
配送業者や送り状番号など配送に関する情報になります。
これらの情報はShopify側で処理され、発送した注文の追跡番号をメールで購入者へ通知することもできます。
Shopifyと物流システムとの連携方法
Shopifyとの物流システムとの連携方法はいくつかの手段がありますが、主に次の3つの方法が挙げられます。
- 物流システムとの連携した仕組みを新たに構築する
特別なデータ連携が必要な場合、Shopifyと物流システムとの間の連携を独自に構築することもできます。
ただしそれなりのコストや時間が必要になるとともに、様々なテストや検証を実施しなければ想定外の不具合も発生するリスクもあります。
- Shopifyアプリで連携する
最も手軽でメジャーなやり方になります。
Shopifyアプリストアには様々な物流システムが掲載されているため、その中から比較検討してインストールすれば利用を開始できます。
自社で利用できるものと、物流会社にアウトソーシングするものなど、いくつかの種類が存在しているため、目的に応じたアプリを選択するといいでしょう。
- 手動で連携する
Shopifyと物流システムの連携データを、CSVやExcelなどでインポート、エクスポートすることも可能です。
比較的手軽に実施することができますが、人間の手作業が必要なため手間やミスが発生しやすいというデメリットもあります。
一般的には、Shopifyアプリのインストールが最もコストパフォーマンスが高い方法です。
ただ、Shopify以外の仕組みで管理している商品や注文データがある場合は、CSVなどの取込機能も持っている物流システムのほうが、より汎用性は高いと言えます。
物流システムとの連携によるメリット
Shopifyと物流システムの連携は、連携方法によっては項目も多いためそれなりに時間を要してしまいます。しかしながら連携の仕組みが完了すると、次のようなメリットが期待できます。
- 作業の効率化
在庫管理や注文管理、配送管理などの作業が自動化されるため、物流フルフィルメントに関わる業務の効率化を図ることができます。
特に、検品作業や送り状発行業務などは、目視や手作業による確認の手間が省けるため、大幅な省力化を見込むことができます。
- ミスの抑止
在庫数量や注文内容のデータが正確かつ最新の状態に保たれるため、欠品や誤出荷などのミスを防止することができます。
- 情報の共有
在庫数や注文状況などのデータがリアルタイムで共有されるため、倉庫スタッフはもちろん、経理部門やマーケティング部門などの部署でも最新の情報を把握することができます。
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連携を検討するタイミング
Shopifyストアと物流システムとの連携は、機能面と運用面においてそれぞれ次のようなタイミングで検討を始めることが多いと言えます。
- 機能面 : 専門的な物流機能を使いたい場合
Shopifyの標準機能では提供されていない「在庫の先入先出」、「消費期限管理」、「納品書のレイアウト編集」、「送り状印刷」、などの仕組みを活用する必要が生じた場合は、そのような機能を持つ物流システムとの連携や導入を検討する必要があります。
- 運用面 : 外部へ物流業務を委託したい場合
自社で倉庫を契約したり、物流作業を実施するスタッフの雇用を避けたい場合、物流フルフィルメント業務全般を外部に委託することになります。その場合、データのやり取りや情報の共有を図るため、Shopifyと連携できる物流システムを導入することになります。
以上、Shopifyと連携する物流システムをテーマにいくつかの切り口で情報をまとめてみました。
Shopifyの物流フルフィルメントは、自社で実施したほうが安価な場合もあれば、取り扱いアイテムの数や注文数が多いため外注したほうがコストを抑えられる場合もあります。
日本通運が提供しているShopifyアプリ「DCX」では、お客様自身が自社で利用する「クラウドサービス」と、日本通運にフルフィルメントを委託する「アウトソーシングサービス」とを、ニーズに応じて使い分けることができます。
Shopifyと物流システムの連携で悩まれている場合は、是非、DCXを候補のひとつとしてご検討ください。
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