Shopifyストア用の外部委託倉庫と物流アウトソーシングとは?
Shopifyストアを運営する際、自社で在庫管理や出荷作業を実施すると、日々の業務が煩雑になるとともに、注文が増加した時に上手く対応しきれるかどうかという懸念が発生します。
そのため、外部業者に倉庫業務全般を委託することがありますが、その際に在庫を保管するのが「外部委託倉庫」であり、入荷、在庫保管、出荷などに関する委託業務が「物流アウトーソング」になります。
具体的にどのようなステップを経てアウトソーシングを進めていくのか、また委託する際のメリットや懸念事項なども含めて少し詳しく見ていきましょう。
Shopifyストアの倉庫業務をアウトソーシングする手順
自社で実施しているShopifyストアの倉庫業務を、そのまま外部業者にアウトソーシングしてしまうと、期待値と実際の結果とのギャップが生じることがあります。
また、短期的な視点だけで委託先を判断すると、中期的なビジネスの拡大に対する懸念もあります。
そのため、以下のような手順で進めていくといいでしょう。
- アウトソーシングに関わる作業範囲の特定
Shopifyストアの倉庫業務を自社で実施していると、購入者に対する特殊対応や、複雑なスポット対応の頻度が増えてきます。
ただ、外部委託業者に全く同じ内容を求めたのでは、コストが大きく膨らんだり期待したクオリティが実現されにくいこともあります。
そのため、業務をある程度標準化した上で、アウトソーシングの作業範囲を特定することが必要です。
商品によっては目視による査定や特殊業務が必要な場合もあり、そのような作業については自社で継続したほうが良いこともあります。
- 外部委託業者の調査
次に、倉庫や物流業務を専門とする委託業者を選定します。
価格だけではなく、サービスの品質や倉庫管理システムの機能、そして実績や評判などを基に、最適な外部委託業者を決めます。
尚、Shopifyストアを運営している場合は、Shopifyとのデータ連携が自動化されているかどうかも重要なポイントになります。
また、単純なデータ連携だけではなく、その物流アウトソーシングを処理することが可能なリソース(倉庫拠点やオペレーションスタッフ)を持っているかどうかという点も考慮する必要があります。
- アウトソーシングの利用の開始
選定した業者と細かい運用のフローや認識合わせを行い、お互いのやり取りのルールを決定します。経験の多い委託業者の場合はフォーマットを持っていることも多いので、その内容に従って順次、決めていくといいでしょう。
また、予約販売や配達指定日の設定、販売数量の制限や定期購買など、Shopifyに複数のアプリを導入し、多様なサービスを実施している場合は、念のため契約後にテストを実施したほうが無難です。
外部委託業者と契約を締結し、在庫を委託先の倉庫へ輸送すると物流アウトソーシングが始まります。また、Shopifyと連携した倉庫管理システムを持っている業者の場合、商品マスタや在庫データが自動的に連携されていきます。
物流アウトソーシングは、一度決定してしまうと変更のための追加コストが発生してしまいます。
そのため、短期的な視点だけではなく、委託先が日々改善を行っているか、また、ボリュームが増えても対応が可能なリソースを持っているかという点については、実際に現場や倉庫を見せてもらうことで確認したほうがリスクの低減にもつながります。

外部委託と物流アウトソーシングによるメリット
Shopifyストアの倉庫業務をアウトソーシングすると、自社で実施していた時と比較し様々なメリットが期待できます。
代表的なものを3つ見てみましょう。
- コスト全体を削減することができる
自社で倉庫業務を実施すると、そのための社員の時間や、教育に関するコストを投じなければなりません。また、場合によっては物流システムや機器を導入しなければならないこともあるでしょう。
物流アウトソーシングをすることで委託会社への外注費は増加しますが、社内の人件費が圧縮されるため、コスト全体でみると削減につなげることができます。
- 物流全体のスピードをより高めることができる
委託先の業者は、通常、一定の広さの倉庫やオペレーション人員を保持しています。加えて、今までの経験や専用のシステムを基に、入庫や出荷に関わる日数を短縮させることができます。
そのため、サイトでの商品販売が早まることに伴う販売機会の増加や、注文を受けてから発送するまでの期間の短縮化による購入者の満足度向上を図ることができます。
- ビジネスの変化により柔軟に対応できる
自社で倉庫業務を実施すると、キャンペーンに伴うスポット的な出荷量の増加や、商戦期における在庫ボリュームへの対応について、対応しきれない場面が出てきます。
このような場合であっても、アウトソーシングであればある程度のボリュームの増減に対応できるため、ビジネスが変化した際もより柔軟に対応することが可能になります。

外部委託と物流アウトソーシングによる懸念事項
Shopifyストアの倉庫業務において、自社で倉庫を持たずに外部へアウトソーシングした場合、どんな弊害が懸念されるでしょうか。
いくつかのパターンで見ていきたいと思います。
- 倉庫内の作業が見えにくい
倉庫業務を外部業者に委託するため、日々の作業進捗を確認することが難しくなります。そのため、自社で倉庫業務を実施していた時と比較し、入庫や出荷に日数を要してしまうということも起こり得ます。
倉庫内の状況をどのように共有するのかについては、事前の確認で詰めておいたほうがいいでしょう。
- 問い合わせ対応に時間がかかる
委託業者によっては、倉庫内に担当者が常駐していないことがあります。
このような場合、突発的な対応やトラブル時の確認に時間を要してしまいます。
特に、緊急時の対応や臨機応変な判断がが求められる場合は、ストアの信頼度やブランドを損なう恐れもあるため、事務所の状況などは見学によって把握したほうがいいかもしれません。
- 委託業者の規模によっては取り扱いボリュームが限られる
ビジネスが大きく成長した際、場合によっては外部委託倉庫の規模では対応しきれないことも起こり得ます。
委託業者の変更には時間がかかることが多いため、成長を見込んでいる場合には、ある程度の倉庫規模や物流ネットワークを保有した委託業者のほうが、ビジネスの拡張にもより柔軟に対応ができます。

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