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なぜ在庫が合わない?倉庫管理者を悩ませる在庫不一致の原因と今すぐできる対策

BLOG 2025/09/14

「システム上は在庫が500個のはずが、数えたら498個しかない」

「明日納品が必要な注文のピッキングに行ったら、棚が空だった…」

こうした「幻の在庫」に、悩んだことはないでしょうか?
これは営業担当者や倉庫スタッフの貴重な時間を奪うだけでなく、業務全体を停滞させてしまいかねない課題になります。

そしてこの「数字のズレ」は、やがて需要予測や受発注の処理にも影響を及ぼし、場合によっては会計処理や経営判断といった会社の根幹をも揺るがしかねない事態に発生することもあります。

しかし、安心ください。
在庫の不一致はいくつかのパターンに場合分けすることができるため、正しい手順を踏めば必ず解決することができます。この記事では、その根本的な原因から現場で実践できる具体的な改善策まで、分かりやすく解説していきます。



なぜ在庫が合わない?4つの根本的な原因

在庫の不一致が発生してしまう原因は、決して1つではありません。多くの場合、以下のような4つの区分で発生した小さな要因が積み重なり、いつの間にか大きなズレになっていることがほとんどです。

  1. 人的要因(ヒューマンエラー)
    システムへのデータ入力ミスや、入庫や出荷における数量のカウント間違いといった、日々の業務に潜む単純なミスが、結局は在庫不一致の一番の原因になりがちです。

  2. 業務プロセスの不備
    入荷や返品の在庫計上ルールが曖昧だったり、ケースやピースといった数え方のルールが明確でなかったり、人によって手順が違っていたりする場合があります。こうしたルール化、標準化されていない「仕事のやり方」が、ズレを生む潜在的な温床になります。

  3. 消失在庫
    システム上には「アイテムが存在するはず」なのに、実際には倉庫からなくなってしまっていることがあります。倉庫内での破損や期限切れによる廃棄、あるいは盗難などで在庫が減少したにも関わらず、その処理が在庫数値に反映されないと、データ上は「販売対象在庫」として誤って残り続けてしまいます。

  4. システム・技術の問題
    WMS(倉庫管理システム)の不具合や、システム間の連携ミスによるデータ同期の遅れなども、在庫の精度を狂わせてしまう原因になります。



在庫不一致が事業に与える6つのリスク|機会損失やコスト

在庫の数字が合わない・・。その小さなズレは、気づかないうちに事業の利益を圧迫し、目に見える以上の損失を生み出してしまうリスクがあります。

  1. 販売機会の損失
    システム上では在庫があるはずなのに実際には欠品していると、「注文や発注に対して届けられない」という状況になってしまいます。個人向けのECサイトにおいても法人向けの商取引においても、お客様の信頼を損ねてしまう行為になってしまうため、ビジネス上では最も避けなくてはなりません。

  2. ムダな在庫とコストの増加
    正確な在庫数がわからないと、欠品を恐れるあまり、次第に過剰な在庫を抱えることになってしまいます。中期的にはこれがキャッシュフローを圧迫する原因にもなってきます。

  3. 業務工数の増加
    倉庫内において、担当スタッフは「確認できないアイテム探し」や、「急な出荷に対する在庫確認」といったイレギュラーな対応に追われ、本来の業務に使うべき時間を浪費してしまいます。

  4. サプライチェーンの混乱
    不正確な在庫データを基に需要予測を実施しても、全く意味がありません。正しくない需要予測は、仕入れや生産計画に悪影響を及ぼしてしまい、サプライチェーン全体の流れを滞らせてしまいます。

  5. 従業員の士気の低下
    頻発するミスや、どこにあるか分からない商品を探し回る作業は、現場のストレスや疲労感を増大させ、従業員満足度やモチベーションを著しく低下させてしまう恐れがあります。

  6. 顧客満足度の低下と顧客離れ
    欠品による注文キャンセルや出荷の遅延は、お客様の信頼を大きく損ねてしまいます。たった1度の欠品が、お客様を競合他社へ乗り換えさせてしまう引き金になるのです。



在庫不一致を解消する改善の3ステップ|在庫精度の向上

在庫不一致の問題は、大きな投資をしなくても取り組むことができます。また一気に実施するのではなく、段階を踏んで1つ1つ解決していくことが成功のコツです。
以下の3つのステップで改善を進めていきましょう。

ステップ1:まずは足元から。現場の「基本動作」を徹底する

ステップ2:人の手に頼らない「仕組み化」を進める

ステップ3:倉庫レイアウトの最適化

【ワンポイント】

ただし、出荷頻度の高い商品ばかりを一箇所に固めすぎると、作業スタッフがそこに集中してしまい、かえって混雑の原因になることもあります。通路の広さや人の動きも見ながら、あえて売れ筋商品を少し分散させる、といった柔軟な対応も大切です。



地道な改善とIT活用で在庫不一致を解決へ

在庫の不一致は、その場しのぎで対応すべき問題ではありません。また、単純にIT化すれば解決することにもなりません。

この記事でご紹介したように、現場のルールや整理整頓といった基礎を固め、それに平行して目的に合わせてシステムを正しく活用していく必要があります。
そしてこうした地道な改善を一つ一つ積み重ねることで、倉庫は単なる「コストセンター」ではなく、「利益を生み出す戦略拠点」へと生まれ変わっていきます。

日々の在庫精度を高めていくこと。それこそが、顧客満足と事業の成長につながる一番の近道です。


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