ビジネスの多様化やスピード化が加速する昨今において、在庫の過不足は売上やブランドイメージに直結します。
「過剰在庫」は保管費用や廃棄ロスを増加させ、「品切れ」は販売機会の損失や顧客離れを招きます。従来、多くの企業では担当者の経験や勘に頼った予測が行われてきました。しかし、需要変動の複雑化や販売サイクルの短期化により、その方法では限界が見え始めています。
こうした背景から日本通運では、物流Webアプリ「DCX」にAIを活用した出荷予測機能を追加し、在庫管理の精度向上と業務の効率化を支援しています。
この記事では、倉庫会社が蓄積する在庫情報の価値やAI出荷予測機能の特徴、利用の際のメリットと効果について詳しく解説します。
倉庫の在庫管理データが持つ価値
倉庫会社は日々の入出荷業務を通じて、膨大かつ鮮度の高い在庫データを蓄積しています。これらのデータは単なる数量情報ではなく、事業戦略に活用できる重要な情報として、以下のように活用することができます。
①時系列データによる需要傾向の把握
過去の販売実績や季節変動、キャンペーン時の出荷量などを分析することで、将来の需要を様々なパターンで予測します。例えば、夏季に需要が増える商品や年末商戦で急増するアイテムなど、時期ごとの傾向を把握できます。
②商品特性別の動向分析
季節商品やトレンド商品など、特定のセグメントやカテゴリーごとの需要変動を把握し、商品別の発注計画に反映します。
③地域別需要の可視化
エリア別の出荷状況を分析することで、販促施策の効果測定や地域別キャンペーンの最適化が可能になります。
AI出荷予測機能の特徴
AI出荷予測機能は、DCXを活用した当社のオペレーション作業によって、鮮度の高い在庫データを解析し、最大6か月先までの需要を予測します。予測にあたっては、以下のような特徴があります。
①例外値の除外
過去のセールやキャンペーンなど、通常の需要パターンから外れるデータを除外し、予測精度を高められます。
②短時間で予測可能
従来数日かかっていた分析が、複数アイテムに対してわずか数分で完了させることができます。
③3パターンの予測値
上限・下限・中央値の3パターンを提示し、リスク管理や柔軟な発注計画に対応できます。欠品を高い確率で抑止したい場合は上限値を参考に発注量を増やすなど、状況に応じた判断が可能です。
AI出荷予測機能の活用によるメリット
DCXによるAI出荷予測機能を利用することによって、次のような価値を期待することができます。
①在庫コスト削減の可能性
過剰在庫や長期滞留在庫を事前に防ぎ、保管費用や廃棄ロスを抑制できます。特に賞味期限や流行の変化が早い商品では効果が大きくなります。
②品切れ防止による販売機会拡大
需要変動を事前に把握し、繁忙期やキャンペーン時でも安定した供給を維持できます。これに伴って取引先や消費者など、顧客満足度の向上が期待できます。
③業務負荷軽減による戦略業務への集中
AIが需要予測や在庫分析を代替し、担当者は販促企画や商品開発など付加価値の高い業務に集中できます。
また、業界ごとにも様々な活用方法が考えられます。
例えばアパレル業界の場合、地域別の販売傾向を分析することで、寒冷地向け商品の在庫を早期に確保し、温暖地域向け商品の在庫を調整するなど、地域特性に応じた戦略が可能になります。
また食品を扱う業界では、賞味期限の短い商品の在庫を過剰に抱えるリスクを低減し、需要予測に基づいた発注で廃棄ロスの削減にも役立てることができるでしょう。
DCXのAI出荷予測サービスは、倉庫会社が蓄積する鮮度の高い在庫データを活用し、在庫管理の高度化を実現します。高精度な予測は販売機会の最大化とコスト削減に直結し、お客様企業のビジネスの成長を支える戦略的なツールです。
ご興味がある方は、ぜひ当社へお問い合わせください。
ブログ一覧に戻る
物流フルフィルメント・在庫管理は日本通運のDCX