アパレルブランドにとって、売上の拡大は喜ばしいことです。一方で、受注が増えるほど、出荷作業や在庫管理の負担は大きくなります。
本来であれば、デザインや商品企画、販促、SNS運用など、ブランドの価値を高める業務に時間を使いたいところですが、日々の梱包や発送対応に追われてしまい、思うように本業へ集中できないという悩みを抱える事業者様も多いのではないでしょうか。
さらに、ドレスや高価格帯の商品を扱うブランドでは、シワや型崩れ、保管環境への不安から、物流を外部に任せにくいという声も少なくありません。
そこで本記事では、自社出荷に限界を感じ始めたアパレル事業者様に向けて、在庫管理システムの導入による効率化と、物流倉庫業者へのアウトソーシングのメリット・注意点について紹介します。
アパレル物流は届けるだけでなく、ブランド体験の一部
アパレル物流は、単に商品をお客様へ発送する業務ではありません。商品を良い状態で届けることも含めて、ブランド体験の一部になります。
たとえば、繊細な素材のドレスやスーツ、高級ラインの商品では、届いたときの印象がそのままブランド評価につながります。商品にシワがある、型が崩れている、梱包が雑といった小さな違和感が、購入後の満足度やリピート率に影響することもあります。
だからこそ、出荷量が増えてきたタイミングでは、物流体制そのものを見直すことが重要です。在庫管理システムの導入と、物流業務のアウトソーシングが有力な選択肢になるでしょう。
自社出荷で起こりやすい課題とは
立ち上げ期のアパレルブランドでは、事務所の一角や自宅スペースを使って出荷業務を行うケースも珍しくありません。しかし、月間の出荷件数が増えてくると、徐々に自社対応の限界が見え始めます。
①本来の業務に集中できなくなる
代表者やデザイナーが梱包・発送作業に時間を取られ、商品企画や販促施策に十分な時間を割けなくなります。ブランドを成長させるための重要な仕事が、日々のオペレーションに埋もれてしまうのは大きな課題です。
②誤出荷や在庫差異が発生しやすくなる
サイズ違い・色違いの誤出荷や販売在庫と実在庫のズレは、出荷量が増えるほど起こりやすくなります。Excelや目視中心の管理では、どうしても限界があります。
③保管・作業スペースが不足する
在庫が増えると、商品保管のためのスペースだけでなく、検品や梱包を行う作業スペースも圧迫されます。結果として、作業効率が落ち、ミスも発生しやすくなります。
在庫管理システム導入で、倉庫の在庫情報を一元化
こうした課題の解決に役立つのが、在庫管理システムです。在庫管理システムをECサイトや各種モールと連携させることで、販売チャネルごとの在庫情報を一元管理しやすくなります。たとえば、自社ECや大手モールなど複数の販路を持つ場合でも、在庫のズレを抑えながら運用しやすくなります。
その結果、以下のような効果が期待できます。
- 欠品や売り越しの防止
- 在庫確認の手間削減
- 出荷指示の効率化
- 複数チャネル運営のしやすさ向上
ブランドの成長に合わせて販売チャネルが増えていくほど、在庫情報の一元管理は欠かせません。
アパレル物流をアウトソーシングするメリット
在庫管理システムの導入に加え、物流業務そのものを外部へ委託することで、さらに運営負荷を軽減できます。特に、アパレルに特化した物流倉庫業者へ委託することで、単なる発送代行にとどまらない価値が得られます。
①商品特性に合わせた品質管理ができる
ドレスやスーツなど、シワや型崩れが品質に直結する商品では、保管方法や出荷方法が非常に重要です。アパレル向けの物流倉庫では、ハンガー保管やハンガー輸送に対応している場合があり、商品をたたまずに保管・配送できます。
また、出荷前に蒸気プレスなどの付帯作業を依頼できるケースもあります。こうした対応により、店頭に並ぶときに近い状態で商品を届けやすくなり、ブランド価値の維持にもつながります。
②繁忙期にも対応しやすい
セール期間や新作発売直後など、注文が集中する時期は、社内だけで対応しようとすると大きな負担がかかります。物流をアウトソーシングしていれば、物量に応じて柔軟に対応しやすく、出荷遅延のリスクも抑えられます。
③物流コストを変動費化しやすい
自社で倉庫を借り、スタッフを雇用し、設備を整える場合、固定費が大きくなります。一方で、アウトソーシングであれば、出荷量に応じた費用設計がしやすく、事業規模に合わせて運用しやすくなります。
アウトソーシング前に確認しておきたい注意点
もちろん、アウトソーシングにはメリットだけでなく、事前に確認しておきたいポイントもあります。
①商品を手元で直接確認しにくくなる
自社保管ではないため、細かな仕様確認や急ぎの検品が必要な場合に、対応まで時間がかかることがあります。そのため、倉庫側との連携体制や、商品情報の共有方法はあらかじめ整えておくことが大切です。
②時期によってはコスト負担が相対的に大きく感じられる
出荷件数が少ない時期は、保管料やシステム利用料などが、自社対応より高く感じられることもあります。導入前には、繁忙期・閑散期を含めた全体コストで比較することが重要です。
③倉庫ごとに対応品質に差がある
すべての物流倉庫が、アパレル特有の品質管理に対応しているわけではありません。たとえば、以下の点は事前にしっかり確認したいポイントです。
- ハンガー保管・ハンガー輸送の可否
- 蒸気プレスなどの付帯作業の有無
- 空調設備の有無
- 日光や湿気への対策
- アパレル商材の取り扱い実績
特に、高価格帯商品やデリケートな素材を扱う場合は、設備だけでなく現場の運用ノウハウも重要になります。
DCXによるアウトソーシングという選択肢
こうした課題に対応する選択肢のひとつが、日本通運の物流Webアプリ「DCX」です。DCXでは、アパレル事業者様が活用しやすいクラウド型の仕組みと、日本通運へのアウトソーシングを組み合わせることで、日々の物流業務をより効率的に運用できる環境を提供しています。
従来の物流業務は、入荷した商品を保管し、指示通りに出荷する「作業代行」が中心でした。一方でDCXでは、物流業務の効率化だけでなく、ブランド価値の維持・向上も視野に入れた運用が可能です。
たとえば、以下のような仕組みがブランド運営を支えます。
- 納品書のカスタマイズ
- マーケティング活用を見据えたオプションサービス
- アパレル商材に応じた物流設計
また、日本通運はグローバルネットワークを持ち、長年にわたり高級ブランドを含むアパレル物流に携わってきた実績があります。特に高級ドレスを輸入販売するケースでは、以下の工程をワンストップで委託することも可能です。
- 海外から日本への輸送
- 通関対応
- 倉庫での検品
- 値札などのラベル貼り
- ハンガー保管
- ハンガーのままでの配送
物流業務を効率化しながら、商品の状態やブランドイメージにも配慮した運用を実現したい事業者様にとって、検討しやすい選択肢といえるでしょう。
アパレルブランドが継続的に成長していくためには、商品企画やマーケティングだけでなく、物流体制の整備も欠かせません。出荷量が増えるにつれて、自社出荷にはどうしても限界が見えてきます。
そのタイミングで以下を進めることで、日々の業務負担を軽減しながら、ブランドの中核業務へより集中しやすくなります。
- 在庫管理システムによる在庫情報の一元化
- アパレルに適した物流倉庫業者へのアウトソーシング
アパレル商材は、保管・検品・出荷の品質が顧客満足度に直結します。だからこそ、委託先は価格だけでなく、品質管理の体制や実績まで含めて慎重に選ぶことが大切です。
物流の見直しをご検討中でしたら、ぜひ一度ご相談ください。貴社のブランドや商材に合わせた最適な運用方法をご提案いたします。
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